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有森裕子UNFPA親善大使エチオピア訪問帰国報告会見学
有森裕子さん記者会見の感想文
2006年03月10日
2年C組 小林 数馬

 今日、有森裕子国際人口基金親善大使エチオピア視察訪問の記者会見に参加した。自分にとって記者会見に参加する事は初めてですごく新鮮だったが、それよりも深く印象に残ったのは記者会見の内容のほうだった。 自分の記憶が正しければ、会見の大まかな内容は、アフリカの多くの国で行われてきたFGMという行為、及びフィスチュラ(産科ろうこう)、について有森さん一行がエチオピアで見てきた現実を伝える事だったと思う。

 FGMのことは今回初めて知ったわけではなかったが表面的なことぐらいしか知らなかったので、すごく衝撃を受けた。“FGMが行われる理由”、“FGMによる影響・後遺症”、“FGMについての様々な見解”、“有森さん自身の見解”など様々な話を聞き、自分の知らなかったFGMの問題点を知ったし、自分の知識の浅はかさも痛感した。 フィスチュラのことは全く知らなかった。フィスチュラは体が未発達の少女達が出産した結果発症する恐れのある病気、ということだが、先進国では19世紀までにほぼ撲滅された病気とのこと。しかしエチオピアのような途上国では医療技術・施設に乏しいために成功率90%という簡単な手術にも関わらず、それすら受けられずに苦しんでいる人が多くいるというのだ。また、エチオピアでは大人になればなるほど誘拐・レイプなどの被害にあう確率が高くなり、また結婚は親の意向で決まるケースがほとんどらしく、ほとんどの少女が10台半ばで結婚する事となる為に事実上早期の妊娠は避けられない状況となっている。このことで改めて痛感したのは如何に日本人が恵まれているか、途上国の残酷すぎる現実。また、こういう事実があるのをわかっていながらも容易には変えることが出来ないもどかしさも感じた。

 FGM、フィスチュラ、両方に一致する自分の見解は“決して放置してはいけない問題”だということ。また、一人でも多くの人にメディアの発信する情報を全てとは思わずに、実際に現場に行った人の話を直に聞く機会を持って欲しいとも思った。そして最後に、会見終了後に有森さんを目の前にして会話をした時に、僕ら一般男子高校生が興味を持ってやって来たことを喜んでくれているように見えた。そのとき同時に「自分達が草の根で有森さんのやっている事を伝え、拡げていけば、有森さんの期待に応えられるのじゃないか。」と思った。

エチオピアの体験報告記者会見を見て
佐伯 克

 この記者会見を見学する前の僕のエチオピアに対するイメージはとても漠然としたもので、食料が無いのだろうか・・・とか医療支援を求めているのだろうか・・・などと割とありきたりの考えしか持ち合わせていませんでした。しかし、いざ記者会見が始まると、当初の考えとは大きく違い、その日初めて聞いた「FGM」という儀式や「性的虐待」などショッキングな内容のもので、背筋の凍る思いを味わいました。

 話の中では「FGM」を行わないで生活をしている女性の写真もスクリーンに映りましたが、「今、現在もFGMは行われている」という言葉に、宗教的な要素が含まれた行為は簡単に止めさせることの出来ない難しい問題なんだと感じました。自分たちの民族に誇りを持っている人たちにとっては、今まで何の疑いも持たずにやってきたことを止めさせられて、「他国の人間になぜ咎められなければならないんだ」と思うはずでしょう。

 とはいえ、痛みを伴い最悪の場合死に至る・・・こんな行為はしてほしくはありません。昨日まで楽しそうに笑顔でいたのに、今日、儀式を行ったせいで友人が亡くなった・・・そういうことが頻繁に起こりうるのでしょうから。

 男尊女卑という言葉がありますが、「女性が何キロも離れた場所に水を汲みに行き、水を汲んで重くなった容器を持って、また行きに来た道を帰らなくてはならない・・・これを何度も繰り返し食事も作らなくてはならない・・・しかし食べられる量はわずか・・・」この話を聞いたときにまさしく今のエチオピアを表すにちょうど良い言葉だと思いました。やはり昔からの習慣のせいなのでしょうが、この話は聞いていてとても辛いものでした。

 今回初めて聞いた有森裕子さんの話でしたが、辛い内容のものであると同時に、とても勉強になりました。まだまだ知らないことはたくさんあるんだと実感しましたし、これからは以前とは違う目線でエチオピアを見ることが出来ると思います。


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